おはなしレストラン

  • 島根県立大学短期大学部松江キャンパス

大学教育推進プログラムの概要

「おはなしレストラン、はじまるよ!」の基本構想について

おはなしレストランの取組は、平成21年度文部科学省大学教育推進プログラムに選定されました

大学教育推進プログラム(通称GP:Good Practice)とは、大学・短期大学・高等専門学校が実施する教育改革の中から特に優れた取組を選定・支援する、文部科学省の事業です。平成21年度は、649件の申請に対し96件(短期大学は11件)が選定されました。

おはなしレストランの取組が選定されたおもな理由(審査結果より)

  • 取組の趣旨、目的・目標、内容が明確であること
  • 実施体制の中でも特にチームワーク、役割分担なども良好であり、実現性の高い興味ある取組であること
  • 絵本の可能性を学生と地域の子供たちとの交流の中で実現させるという地域連携の観点からみて、大きな意義を有するものであること
  1. 「おはなしレストラン、はじまるよ!」の基本構想について
  2. 「読み聞かせ」の実践の様子について
  3. おはなしレストランの取組内容について
  4. 学生の目標達成度の評価方法について
  5. 読み聞かせの効果について
  6. 実施計画について
  7. 取組全体の実施・評価体制について

「おはなしレストラン、はじまるよ!」の基本構想について

「おはなしレストラン、はじまるよ!」の基本構想について 公立大学法人島根県立大学短期大学部松江キャンパスには、健康栄養学科、保育学科、総合文化学科の3学科があります。それぞれ人材養成の目的は異なりますが、3学科に共通する教育課題が見出されます。それが「人間力の育成」です。人間や文化に対する知識と理解、face to faceのコミュニケーションスキル、そして社会性や倫理観は、学科の如何を問わず、より普遍的に人間に求められる能力、しかも現代の若者に欠如しがちな能力であり、それらを総称して、「人間力」と呼んでいます。
 では、この「人間力」を育成するためには、どうしたらよいのか。そこで、私たちが注目したのが、総合文化学科で従来取り組んでいる、絵本の読み聞かせの授業でした。担当の教員は、読み聞かせを通して、学生たちに「人間力」が育まれることを、確かな手ごたえをもって感じていました。そこで、他の2学科でも読み聞かせを取り入れることとし、松江キャンパス全体で、読み聞かせによる「人間力の育成」を行うことを、本取組の基本構想としました。

「読み聞かせ」の実践の様子について

「読み聞かせ」の実践の様子について 総合文化学科では、平成18年度より読み聞かせの実践に取り組んでいます。図の(1)から(3)は松江市立幼保園のぎでの実践、(4)から(6)は松江市立乃木小学校での実践の様子です。
 幼保園では、2人の学生が組となり、2冊の絵本の読み聞かせを行います。(1)は練習風景、(2)は実践風景です。実践は、「おはなしレストラン、はじまるよ!」の掛け声とともに始まり、絵本を読みながら子どもたちの表情や反応にも目を配ります。2冊の読み聞かせの合間に、手遊びや歌などをつなぎとして入れますが、(3)はそのつなぎの場面です。
 小学校は、毎週水曜日、朝の読み聞かせの時間に訪問します。(4)は実践を前にした学生たち、(5)は2年生のクラスでの実践風景です。読み聞かせを終えると、(6)のように、図書館でその日の実践を振り返って記録します。
 読み聞かせが全学共通化になった際は、この2カ所での取組をベースとして発展させていきます。

おはなしレストランの取組内容について

おはなしレストランの取組内容について おはなしレストランの取組は、4つの柱からなります。
 1つ目は、「おはなしシェフの養成」です。「読み聞かせ」の実践の3学科共通科目化を行うとともに、集中講義を開催し、絵本や読み聞かせに関する理解を深めます。
 2つ目は、「出前シェフ」です。絵本ワゴン車を利用して、より広い地域、より多くの場所で、読み聞かせ活動を実践していきます。
 3つ目は、「メニューの充実」です。実践活動以外に、絵本のデータベースやレビューを作成し、インターネットや紙面において広く一般に提供することによって、読み聞かせの普及に努めます。
 4つ目は、「素材すなわち絵本の充実」です。学内に絵本文庫を開設し、世界の優れた絵本を集めるとともに、子どもたちや読み聞かせに関わる方々との交流の場としても活用し、様ざまな世代の交流を促進します。

学生の目標達成度の評価方法について

学生の目標達成度の評価方法について 学生は、図のステップ1からステップ4の手順を繰り返す中で、多方面からの評価を参考にして課題を解決し、レベルアップを目指します。その過程で、作品解釈ノート、実践プランノート、実践記録ノートの3種類のノートを書いてファイルに蓄積し、すべての実践が終了した時点で、「おはなしレストラン10ヶ条」を利用して自己点検を行ない、総括します。教員は、これらのものに授業態度や出席状況を加えて評価します。  図の右側には、10ヶ条の自己点検の一例を載せました。各項目について、学生は◎、○、△のいずれかを選び、コメントします。本人から見た達成度は、◎が何個、○が何個というように、数量的に把握することができます。学生全員の点検を総合すると、項目によって達成度に高い低いの差が出てきます。その結果は授業の進め方や指導方法の改善に活かします。

読み聞かせの効果について

読み聞かせの効果について 「読み聞かせの経験が社会に出て役立っているかどうか」を卒業生に回答してもらい、その一部を抜粋しました。
 Aの卒業生は、読み聞かせで身に付いたコミュニケーション力が就業先の仕事でもっとも活きていると書いています。Bは子どもの反応を見ながらの読み聞かせが、お客様への配慮につながっていること、Cはコミュニケーション力と積極性、Dは礼儀と課題探求力を挙げています。  また、読み聞かせの実践先である乃木小学校の校長先生に、読み聞かせの児童達への効果を尋ねましたところ、「聴く力」「想像力」「落着き」「愉しみ」の4点を挙げてくださいました。

実施計画について

実施計画について 図の一番下の段が実施体制について、上の4つの段が取組の4本柱です。
 特に注目していただきたい事柄には、「はじまるよ!」のマークをつけています。
 1年目は、絵本の収集、データベース入力、絵本ワゴン車による出前シェフのイベント参加などを開始し、準備を進めていきます。
 2年目は、絵本文庫の授業利用、3学科共通科目の開講を、順次開始します。
 3年目は、絵本文庫の地域開放、絵本データベースのホームページへのアップ、集中講義の開講を実施し、取組を本格稼働します。

取組全体の実施・評価体制について

取組全体の実施・評価体制について おはなしレストランは、「人間力養成検討会議」と「おはなしレストラン外部評価委員会」を両輪として進みます。
 「人間力養成検討会議」は、副学長を議長とするキャンパスの全学的組織です。おはなしレストランの事業の運営を随時チェックすると共に、財政支援終了時には、「おはなしレストラン外部評価委員会」による評価を参考にしながら、取組全体の総点検を行い、事業の改善に努めます。
 「おはなしレストラン外部評価委員会」は、子育てや子どもの読書に携わる方々をメンバーとして、取組の履行状況や成果について評価していただきます。
 以上の体制のもとに、おはなしレストラン号は、たくさんのおはなし、たくさんの学生を乗せて走り続けます。